メニュー

Architect Colum

埼玉県熊谷市I邸

  • 設計:株式会社YuRi建築設計舎
  • 施工:コスモ建設株式会社
  • 所在地:埼玉県熊谷市
  • 敷地面積:103.68坪
  • 延床面積:26.30坪
  • C値:0.38
  • UA値:0.43

『わくわく仕掛けのあるお家』

  • 一級建築士
    片上 友二KATAKAMI YUJI
  • 一級建築士
    片上 利子KATAKAMI TOSHIKO

好立地に建つ印象的な外観のI様邸を設計したのは、一級建築士の片上ご夫妻。
ご家族様の想いやライフスタイルをくみ取りながら、どのように理想の住まいを実現したのか、 プロの視点から読み解いていく。

1Zoning

ライフスタイルをキャンバスに落とし込むゾーニング

お家づくりを始めるにあたって、I様の新居での理想の住まい方が、現在の住まいでは実現できない生活リズムと新居の住まいでもそのまま維持できる生活のリズムが混在することに気が付いた片上氏は、まずI様の生活をまっさらなキャンバスに落とし込むゾーニングから着手した。玄関に入ってからの動き方を、生活のリズムと照らし合わせて適切に各スペースを配置し、空間と空間の間の動線を構築していく。そうして出来上がったマスタープランは、平面的な空間の繋がりが実現したもので、ここから更に生活のリズムを加えることで平面から立体的な空間の構成に進んでいく。

ヒアリングノートにはI 様のご希望や生活スタイル、何気ない会話までビッシリと記載されている

空間的な繋がりを平面的に表現したゾーニング。「家づくりはここから」と片上氏

2Imagination

平面からより立体的に。住まう人を上から眺める天井の目

出来上がったマスタープランは、生活のリズムや動線を考え空間が平面的につながった、いわば初歩段階の間取りのこと。平面を立体に、実際にそこに住まう人がいて動いている姿を天井から眺めているかのように想像力を働かせ、「ながら作業」をするためにはここを全開口のドアにしたり・・・など、片上氏の頭の中ではすでにI様邸がそこに住まわれて生活されている姿がイメージされていた。I様も実際に住まわれてから間取り動線のストレスの無い使いやすさを感じられ、実際に見ていたかのような想像力に感激されている。

「住まう人の動きを実際に想像している瞬間が設計段階で最も楽しい瞬間」と片上氏

ご家族の行動動線を想像し、ゾーニングにディティールを加えて間取りに昇華していく

3Space Design

生活動線を隠しながら視線の抜け感を上手く取り入れた空間設計

間取りの設計上、壁やドアで仕切っていくことで視線が遮られ、プライバシーの確保がしやすくなる。その一方で閉鎖された空間は圧迫感が生まれてしまう。I様の生活動線では「洗濯物を干したり畳んだりしながらTVを見られるように」というリクエストがあり、リビングと普段は隠したい水廻り動線の関係性をどう解決するかという問題があった。そこで片上氏は、リビングと水廻りを並列して配置し、収納と同じ建具で空間に一体感を持たせながら、使用するタイミングに応じて繋がりが変化する工夫を施した。さらに敢えて上部を壁ではなく開口とすることで締め切った状態でもリビングが圧迫されないように視線の抜け感をつくった。それにより空間が繋がり開放感が生まれる上、家全体のエアコン効率を上げる事が出来た。高気密高断熱であることを見事に活かした空間設計と言えるだろう。

壁の上部が開口となっていることで柔らかな明かりが差し込み広がりのある空間となっている

一見するとリビングの収納のように見えるスペース

一つが収納、もう一方は洗濯動線と工夫されている

4Juiku

家族構成を考えたオモテとウラの動線、住みながら育てる「住育」を提案

住まうご家族の構成によって使いやすい生活動線は異なる。ヒアリングの段階で外への動線は玄関のみのオモテ動線をご希望だったI様ご家族。しかし、ご主人のお仕事上、夜勤があることに注目した片上氏は外へのウラ動線として勝手口を提案した。夜勤明けで疲れきった中、客間でもあるリビングを通ることなく寝室への出入りや、水廻りへのアクセスまでも考えたからだ。尚且つお母さんと離れたくないお子様の目を盗み、ちょっとしたお買い物に外出できるように主婦目線も考えたウラ動線だ。実際に「子供がリビングで遊んでいる隙にさっと牛乳を買いに行ったり活用してます」とI様の奥様も大満足だ。収納動線も衣類をファミリークロークに集約することで、シンプルな動線でお子様が家事のお手伝いに積極的に参加しやすいように動線設計したことで、今ではお手伝い上手なお子様に成長されている。

家事をしながらでもお子様の様子が見渡せるオープンなLDK

キッチンの裏から外へ出られる勝手口を設けることで、ウラ動線を確保している

家族全員の衣類を収納するファミリークロークは居室と洗濯スペースの間に配置し使いやすい動線とした

5Facade

好立地を活かしたファサード(外観)提案

周囲から見通しが良い好立地に位置するI様邸。その中にあって周囲と調和しながらランドマークとなるような外観提案を行う片上氏は、白を基調とした中でアクセントとなる木目を取り入れ、シンプルな中に暖かみを加えた。玄関への入り口に対して、敢えて外部収納を設けることで道路からの直接的な視線を遮り、プライバシーにも配慮している。「あの白いカフェみたいなお宅にお住まいなんですか」と声をかけられることがあるとI様もご満足げ。既にお住まいのご近所様、これから長くその地に住まうI様ご家族にとって、新たなランドマークがここに誕生した。

白を基調にしながら木目が印象的なシンプルかつ暖かみを感じる外観

玄関の入り口が直接道路面から見えないように配慮した壁は外部収納として活用

街並みと調和しながらシンボリックな外観に大満足とI様ご家族

Profile

建築家

一級建築士
片上 友二KATAKAMI YUJI

S.38 愛媛県今治市生まれ
読売九州理工専門学校 建築学科卒
建設会社 勤務
YuRi建築設計舎 開設
(株)YuRi建築設計舎 設立

一級建築士
片上 利子KATAKAMI TOSHIKO

S.38 山口県下関市生まれ
読売九州理工専門学校 建築学科卒
工務店 勤務
設計事務所 勤務
YuRi建築設計舎 開設
(株)YuRi建築設計舎 設立

PAGE TOP